2010年 12月 20日
上告断念の諫早湾干拓問題を考える。
今回の福岡高裁判決について、菅直人首相が上告断念表明した。
長崎県、佐賀県は東京から見ると、遠い西の果て。
何がどうなってるのか、今一分らないって言う人が殆どかも?
私が小学生の頃、授業でこの干拓の事は習いました。
私が10歳ぐらいの頃だから、もう50年も前のことだ。
その頃は、「へ~凄いな、あそこら一帯が繋がり埋め立てられるんだ」
子供ですから、想像出来ないくらいの大きな話でしたよ。
当時の構想で言えば、もともと農地を広げるための干拓事業。
でも時代と共に、農地が必要かといえばそうではない時代になってきた。
水田の減反問題が出始めて、稲作などの農地拡大構想が崩れだしたからです。
塩分まみれの土地は、改良につぐ改良しないと農地になりません。
でも、事業決定したら、後には戻らないのが国の悪い習慣だ。
いらないのに、なんだかんだ理由をつけて事業を推進したのが現状だと思う。
同じような干拓をした地域がある。
秋田の八郎潟干拓。
最近、報道特集があったので、詳しく勉強出来た。
琵琶湖につぐ日本第2位の湖を、食糧増産の目的で埋め立て、農地にした。
米の増産をやったが、減反政策で、失敗だったとの評価が出されている。
今の諫早湾干拓とソックリだね。
そして今回の諫早湾干拓の現実は、農業従事者と漁業従事者とでは、
違った影響があることから、双方の主張が対立している。
干拓事業に賛成にせよ反対にせよ、いずれの主張にもその立場によって
正当性があるのも現実。
困ったものだ・・・・。
追伸
ちなみに調べて分ったことですが、干拓の工事前に漁業補償として、潮受堤防内八漁協には
総額279.2億円が支払われている。
だから、この各漁協の漁業権は消滅、又は一部放棄・制限されているのが現状だ。
調整池を開けると又金が掛かるようだ。
しかし、干拓してまでわざわざ農地を作る必要があったのか?自然の体系を護る意味ではまったく逆行してると思います。
もうもとには戻らない・・・国はなんとバカなことをしたことよ・・・!
>漁業権はもうないんですね
漁業権がないのは、閉め切られた湾の中にあった
漁港です。
それ以外は、補償してなく、海苔被害とか出ていて
もう大変みたいです。
それらを菅さんが野党時代に視察していて、
知っているので、今回の上告を止めたと思います。
とにかく、八郎潟で失敗し、また同じ事を諫早湾で
やった国。
どうかしてますよ。